お酒と健康
適正飲酒のススメ
節度ある適度な飲酒は、心身の緊張をやわらげ、ストレスを解消するなどの効果がありますが、過度の飲酒は、肥満や糖尿病、肝臓病、循環器病などの生活習慣病の原因になります。さらに、長期にわたる多量飲酒は、身体的、精神的健康を損なうばかりでなく、社会への適応力の低下や家庭崩壊を引き起こし、アルコールへの依存をもたらすこともあります。
そのため、アルコールの害や節度ある飲酒についての意識啓発を進めるとともに、医療機関などとの連携を密にした、相談指導体制の充実を図る必要があります。また、若い時期に飲酒を始めるほど依存性が高くなる危険性があり、心身への影響も大きいことから、未成年の飲酒防止が重要です。家庭、学校、地域が連携し、未成年者本人の意識向上を図るとともに、社会全体として未成年の飲酒防止を推進する必要があります。
●節度ある適度な飲酒とは、1日平均純アルコールで約20g程度のことをいい、飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではありません。
●多量飲酒とは、1日平均純アルコールで約60g(日本酒に換算すると約3合)を超え、多量に飲酒することをいいます。
◆主なアルコール類の換算の目安
アルコールの種類 | ビール (中瓶1本500ml) |
清酒 (1合180ml) |
ウィスキー・ ブランデー (ダブル60ml) |
焼酎(35度) (1/2合弱80ml) |
ワイン (2杯240ml) |
アルコール度数 | 5% | 15% | 43% | 35% | 12% |
純アルコール量 | 20g | 22g | 20g | 22g | 24g |
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、飲酒をやめたくてもやめられない状態であり、「飲酒をコントロールできない病気」です。
厚生労働省の研究によると日本全国で推計80万人のアルコール依存症者がいるとの研究結果が発表されています。また、多量飲酒者まで含めると全国に約860万人存在するとも言われています。
このように身近な病気であるアルコール依存症ですが、飲酒に寛容である日本では、「酒は百薬の長」、「宴会や接待でのコミュニケーション手段」として必要なものとされ、飲酒による失敗に対しても比較的寛容です。このような飲酒文化の中でアルコール依存症は「病気」と認識されにくかったと考えられます。
◆問題飲酒を疑うポイント
・飲酒の限度が決められない。酔いつぶれるまで飲む。
・ご飯も食べずにお酒を飲んでいる。
・飲んだ時のことを覚えていないことがこれまでに3回以上ある。
・飲んで事故にあったことがある。
・昼間から飲酒している。
・お酒を飲まないと眠れない。
・お酒で人間関係が壊れてしまったことがある。
・肝臓が悪い。糖尿病や心臓病の既往がある。
◆どこに相談したらいいの?
アルコール依存症は、一人で回復するのは難しい病気です。本人が自分の問題に気づき、専門機関へ相談・受診する意思がはっきりしている場合は、専門の医療機関に相談・受診することをお勧めします。専門の医療機関ではアルコール依存症治療のためのグループ活動や精神療法を行っています。その他、アルコール依存症者やアルコール問題を持つ者の全国的な自助グループとして、断酒会、AA(Alcoholics Anonymous)などがあります。
また、本人はアルコールの問題を全く認めていないが、家族は困っている…という場合は、家族相談を実施している専門の医療機関や相談機関もありますので、家族のみでも相談することをお勧めします。
厚生労働省e-ヘルスネット「アルコール依存症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-016.html
●相談窓口
さいたま市こころの健康センター
さいたま市浦和区上木崎4丁目4番10号 子ども家庭総合センターあいぱれっと
TEL.048-762-8548 FAX.048-762-8548